ハウスメーカーのモデルハウスにて
私達が購入した土地は、いわゆる「建築条件無し」の土地だ。
だから、家を建ててくれる建築会社を自分達で探さなければならない。
土地の目途がつくずっと前から、ハウスメーカーや建築事務所などが開催する家の完成見学会や構造見学会に数えきれないほど足を運んだ。
とある大手ハウスメーカーのモデルハウスでは、入口で営業マンにアンケートを勧められ、マンツーマンで説明の攻勢を受けた。
「もう少しお話をお聞かせいただけませんか?」
一通りモデルハウスを見終わって、帰ろうとしたら、営業マンに呼び止められ、リビングの席を勧められた。
一緒にいた子供達が飽きていたため、私は子供を連れて外に出て、夫だけ営業マンともう少し話すことになった。
15分もすれば戻ってくるだろう…そう思いながら外で子供達と待っていた。
しかし、それから、待てども待てども夫は戻って来なかった。
やっと戻ってきたのは小1時間を過ぎた頃だろうか。
「なーにやってんのよぉ!!待ちくたびれちゃったわよぉ!ダラダラと話してるんじゃないわよぉ!何分待ったと思ってんの!?」
「…………」
私の文句に夫は何も答えず、ただ、焦燥しきっていた。
夫の話によると、リビングの席に座るなり、それまで説明してくれていた営業マンから、さらに押しの強いホスト風の営業マンにバトンタッチ。ホスト風の名刺には、そのモデルハウスを拠点とする支店所長の肩書が書かれていた。
そのホスト風所長から、ものすごい勢いで契約を迫られたそうだ。
「今月中に決めていただければお安くできます」
「私はこの会社の役員会にも出ていますから、予算は何とでもできます」
夫はそのたびにやんわりと切り返した。
「すぐには決められないですよ…。本や資料を読んだりもして検討してきているのですがね、長いこと決められなかったので…」
それを聞くやいなやホスト風所長は元気にうなづいて、こう切り返した。
「お客様!そういう風に本や資料を読んですごく勉強されて長い間検討を重ねてきた、そういうお客様みたいな方が必ず最後に選ぶのがウチなのですよ!」
その切り返しは、勉強になるなぁ…。
気の弱い人は負けて契約してしまいそうだ。
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