土地を購入へ
インターネットやチラシ等で気になった土地を見つけては、週末に現地に行って確認する…ということが長らく日課になっていた。
そんなある日、とある土地にピンときた。
その土地の南面は、アパートの駐車場。
駐車場に停めてある車の排気ガスが気になるし、アパートの住人や隣人が気になる…が、あれこれと気にしていてもキリがない。
価格はやや予算オーバーだが、長方形の綺麗な更地。
今住んでいるアパートからもほど近く、今まで見た中で一番良さそうだった。
不動産屋の担当者に電話して、この土地の購入を検討していることを伝えた。
担当者は、土地の概要について説明はしてくれたが、強く勧めてくることはなかった。
「具体的に購入の決心がつきましたら、ぜひお越しください」
と、言っただけだった。
不動産屋の担当者がそれほど強く勧めてこなかったことが、かえってその土地の人気さを意味していると感じてしまい、その土地のことがますます気になってしまった。
それから毎日、仕事が終わったらその土地を見に行くのが日課になった。
どんなに仕事で遅くなって疲れても、その土地に行って、自分がその土地で家を建てているのを想像するだけで何だか気分が高揚してワクワクする、そんな状態だった。
本当はその土地にテントを張って1日中、日当たりの様子や周囲の様子を見ていたいくらいだったが、現実的には難しい。
週末には夫と2人で、その土地から駅やスーパー、学校などまで歩き、周辺の様子や距離をじっくりと確認した。
その土地辺り一帯の氏神様だという神社に行ってお参りもした。
インターネットのオンライン登記情報提供サービスで、該当の土地の登記簿のチェックもした。
たまに抵当がついている要注意の土地があるそうなのだが、そういうことは無かった。
今は更地だが、昔から畑として使われていたそうだ。畑なら問題ないかな？
近隣の建物や臭い、ゴミステーション、地盤など、いずれも問題なさそうだ。
購入に向けて、不動産屋を訪問することにした。
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