遺品の整理処分、費用は…
「全ての遺品の処分をお任せしたい」と遺品整理会社に要望したものの、予算に見合わなければ実際に依頼することすらできない。
私は遺品整理会社の男性に尋ねた。
「どれくらいの費用がかかりそうですか?」
男性は、私の問いには答えず、逆質問してきた。
「ご予算はどれくらいですか?」
「30万円です」
即座にズバッと本当の予算を答える母。
おーい!まずは低めに言おうよ~!!
「ウーーーン・・・」
母の予算額を聞くやいなや、男性は急に頭を抱えてうなりだした。
ドーシタノ!?
そして、申し訳なさそうに言うのだった。
「だいたいこの程度の一軒家の場合、私共は30万円~40万円でお引き受けしているんです…。今回は納屋にもたくさん物がありますし、40万円はいただきたいところです」
ホラミロ!
最初に本当の予算額を伝えちゃうから!
予算額の上を要求されちゃったではないか!
でも、無い袖は振れないのだ。
「うちは30万円までしか出せないんですよ。納屋は除外して、室内のみで30万円でやっていただけませんか?」
「ウーーーン・・・」
また頭を抱える男性。ソンナニアタマガイタイノ?
「35万円でしたら、もうこれからすぐにでもスタッフを呼んで、今日中にできちゃいますけど」
今日中にできるの!?
それなら話が早い!
相見積もりもとらず、その金額が妥当かどうかの検証もなく、うまいこと男性の戦術にかかってしまっているのは重々承知だが、ここで立ち止まっていたら今度はいつになるか分からない。
長年の間、処分を拒否してきた母の心が変わり、老父母が遠出できるほど元気で暑くもなく寒くもないほど良い天気で、私の仕事も休みで手が空いていて(私だって今日1日中、これに付き合うために、家の用事をあれこれと済ませて時間を確保し、子供を夫に預けてきたのだ)、そして遺品整理会社の都合も合っている…。
今を逃したらもうこんなタイミングは訪れないんじゃなかろうか!
私は男性に加勢した。
「今日やってくれるなら、やってもらっちゃおうよ!」
「・・・」
迷う母。そして、男性に尋ねた。
「お支払いは銀行振込みでいいんでしょうか?」
「いえ、今日この場で現金でいただきたいです」
「ありゃ、それじゃあ、今日は手持ちが無いから無理だわ」
諦めようとする母に対し、私はもう一度男性に加勢した。
「大丈夫!私、コンビニのATMで下ろしてくるから!やっちゃおうヨ!」
しばらく考え込んでいた母だったが、ついに決心したようだ。
「そうねぇ…、やってもらおうか」
「うんうん!お願いしましょ!」
35万円プラス消費税(こういうのも消費税が取られるんですねェ)で即日実施が決定した。
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