更地の方が価値が上がった
一軒家のほかに祖母が所有していたのは、100坪ほどの更地だ。
「更地の土地をもらってもなんの得にもならない。それよりはこの家を貰った方がお得だー」と、若かりし20年前の母はそう思っていた。
だから、「この家が欲しい。私がこの家を継ぐから!」と、祖母にお願いしたという。
強く主張する母の願いを聞き入れて、祖母はわざわざその要望を公正証書遺言に残した。
そして、母とは正反対で、無欲だった母の弟(私からすると叔父)がもう一つの更地を相続することになった。
それから時が経ち、叔父が相続した更地の近くに役場が移転してきた。
それに伴って、更地の周辺には商業施設などが建つようになり、あれよあれよという間に便利な場所になってしまった。
建物が建っている土地に比べれば、更地のほうは固定資産税こそ高いものの、草木も生えていない綺麗な土地だから、何の管理も必要ないし、売ろうと思えばすぐにでも買い手がつきそうだ。
一方、「お得だー」と思って母が相続した祖母の家は、膨大な遺品や荒れた庭の木々、古い建物、井戸、崩れそうな納屋等々をどうにかして始末しなければいけない状況になっている。
アァー、早く何とか処分したい…。
しかし、母に速やかな処分を促しても、全く動く気配がない。
「まだそっとして置いて欲しい。落ち着いたらそのうちやるから」と、のんびりと答えるのだ。
「まだ」って、もう7年も経っているよ!!
「そのうち」っていつ??
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