3日後、事態急変
その3日後、事態が急変した。
またBさんから携帯に電話がかかってきたのだ。
「実は、ご希望されていた区画の土地を買いたいという方がでまして、明日中に土地を抑えていただかないと、その方にお譲りすることになってしまいます!」
また青天の霹靂ダー。
この土地のことは誰にも秘密なんじゃあなかったっけ?
他の人にも紹介していたの?
うちだけに教えてくれたんじゃあなかったの?
3か月後位までに決めればいいと言ってなかったっけ?
と、頭の中で次々に疑問が湧きあがる。
しかし、希望していた土地が他の人に取られてしまうかもという焦りが先立つ。
隣にちょうど夫がいた。
「どうしよう!あの土地が他の人に買われちゃうかも…」
「エエッ!どうすればいいの?」
夫もその土地を気に入っていたのだった。
なんとかならないのかとBさんに尋ねる。
「明日中に買い付けの書類に署名をいただいて、今月中に内金として1000万ほどご用意いただければ大丈夫ですよ。地主さんがすぐに現金が欲しいらしくて…」
……。
「今月中に内金として1000万ほどご用意いただければ大丈夫ですよ」っと値段の割にサラッと言いましたね。
今これを書きながら冷静に振り返ると、オレオレ詐欺っぽく思えますね…。
しかし、この時渦中のまっただ中にいた私の心中はこうだ。
「今月中に1000万円カー…。今貯金いくらあったっけ?今は月の半ばカー。あと2週間…足りない分は親にお願いするカー?ローンってどうすればいいんだっけ?」と、頭をカーカーとフル回転して金策を考え始めたのだった。
しかし、いくらその場で考えてもすぐには結論は出ない。
ひとまず「検討してお返事します」とだけ言って電話を切った。
せかされると焦る。
なかなか出ない人気のC学区の土地がたまたま出て、それを知っている人はあまりいない。
だけど自分と同じ土地を希望している人が他にもいて、その人が先に購入してしまうかもしれない。
その人よりも先に書面を書いてお金も先に用意すれば買えてしまう…。
買いたい気持ちが募る。
しかし、他の人より先に買うためには、お金の工面が必要。
夫と1000万円の捻出をどうするか、あれこれ話し合っている間に、またBさんからの電話が鳴った。
「すみません…ご希望の土地は他の方に確定してしまいました。代わりにその隣の土地でしたら、先ほどの手続きで購入していただけます」
「エエエッ!!??」
この間約10分ですヨ。
その間にもう他の人に確定してしまったという。
他の人の決断力、スゴイナー。
ところで、その隣の土地って確か200万円位高かったような…。
さっき私は「検討します」とお返事したのに、もう他の人で確定しちゃったの??
遅ればせながら、やっとここで初めて一気に高まるBさんへの不信感。
土地への熱がスーッと冷めていった。
「すみません。やっぱり、すぐにはお金の用意ができないので、今回は辞退させていただきます」
それを聞くやいなや慌て出すBさん。
「エッ?地主さんにお話ししてお金の支払いを伸ばすこともできますよ?」
地主さんはすぐにでも現金が欲しいんじゃなかったっけ?
「結構です。来月には出産も控えてますし、ちょっと今はこの先どうなるか不透明ですので…今回は諦めます。それでは失礼します」
もしかしたら今後、後悔することがあるのかもしれないが、ここで電話を切ったのだった。
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