虫嫌いの外構
外構をどうしよう?
極力、虫の発生を抑えるためにはどうすればいいか?
やっぱりコンクリートで全部埋めればいいのだろうか?
あれこれ考えながら、土に覆われた庭を眺めていると、ちょうど庭に出てきた隣人さんに話しかけられた。
「これからお庭作るんですよね~?楽しみですね!」
「えぇ、どうしようかなーと思ってるんです」
「家庭菜園とか出来ますよねーウチのお庭のこのコスモスは、植えてないのに生えたんですよぉ!鳥が種を運んできたみたいで・・・。この辺りの皆さんは、お花が好きな人が多いので、私も皆さんの家の庭のお花に癒されているんですよぉ!」
…たった今、虫を出さないために外構は全てコンクリートで埋めればいいか、と思ってたことは口には出すまい。
…数日後、設計士のGさんと外構の打ち合わせが行われた。
「外構の希望は虫が出ないことです」
「ハ?ハァ・・・」
私の希望にGさんは何とも言えない表情。そして、夫もあきれ顔だ。
「虫が出ない外構…。そうなると、庭は人工芝やコンクリート、石張りなどで土を埋めることになりますね。その辺りで見積もりを出してみますね」
その数日後、Gさんからの見積もりは220万!
覚悟はしていたが、やっぱり高い。
しかも、隣家と接する東西の狭いスペースはDIYで自分達で行うのが前提で、見積もりには含まれていなかった。
素早く、庭をコンクリートで埋めることを断念し、普通に芝となる。
芝だけというのも味気ないので、隣人さんが楽しめる程度の花壇も作ることにした。
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虫との遭遇
「大変だ!リビングの床が水浸しになってる!」
「エェッー!どうして?」
新居に住み始めて1週間。
先に仕事から帰宅した夫から、携帯に慌てたようなメッセージが入った。
夫が家へ帰ると、エアコンからポタポタと水が垂れていた。
床が水溜りになっていた。
慌てて置いた洗面器にポチャ、ポチャ…と水が落ちる。
まるで雨漏りだ。
新築1週間なのに…。
エアコンのメーカーに電話をかけて、すぐに見てもらいたいと訴えたが、立て込んでいて家に来れるのは1週間後だと言う。
「なんとかもう少し早く来ていただけませんか?エアコンが使えないと困るんです!」
懇願すると、電話口のメーカー担当者が確認するように言った。
「もしかして室外機のドレンホースにキャップなどを付けてませんか?」
「??付けてますけど??」
「それを試しに外してみてもらえませんか?逆流している可能性があります」
「ぎ、ぎゃくりゅう?・・・」
入居前、屋外に設置してあるエアコンの室外機のドレンホースを伝って虫が室内に入ってくる可能性があることを恐れ、ホースに防虫キャップを取り付けていた。
キャップは普通にホームセンターで購入したものなのだが…?
メーカー担当者の話によると、我が家のエアコンは外壁に面しているわけではないので、エアコンから室外機までのホースが長い。その影響もあるのか?キャップを取り付けたことによって逆流しやすくなっている?ようだ。
とにかく、言われたとおり、キャップを外したところ、水漏れは止まった。
やっぱりこれが原因だったのだろうか…?
とにかく虫が怖い。
ドレンホースだけでなく、トイレの換気扇からも入ってくるという噂を聞いたが、これは今のところ対応の仕様がない。
我が家の玄関ドアは引き戸のため、若干の隙間が空いている。
どうしてもここから入ってくるに違いない…と思って、その隙間に白い粉末薬剤の「アリの巣コロリ」を撒き、さらにGを退治する駆除薬「ブラックキャップ」を置いた。
玄関入ってすぐ、真っ黒なGの撃退キャップがどうしても目に付いてしまうのだが、しょうがない。
我が家を訪れたお客様が、「玄関に白い粉が撒いてあって、さらにGキャップが置いてあって、スッゲー虫が出る家なんだね」と思ってもしょうがない...。
万全の虫対策を講じてすっかり油断していたある日。
虫との遭遇はいつも突然やって来る。
その日は仕事で家に着いたのが深夜0時過ぎだった。暗がりの中、玄関ドアを開けようとした時、ボンヤリとドア横の外壁に何かが張り付いているのが見えた。
よく見ると、巨大なゲジゲジが2匹も外壁にへばりついているではないか!
ゲジをここに這わせたままで家に入ることはできない...。
このままドアを開けたらゲジが家の中に入ってしまうかもしれない。
こ、怖い...。
夫に助けを呼ぼうにも、静まり返った深夜の住宅街で叫ぶわけにもいかない。
いつも私の虫嫌いを呆れたように見ている夫だから、こんなことで呼んでもきっとすぐには駆けつけてくれないだろう。
っつーか、深夜だし、きっと寝てる。
ちょうど近くに柄の長いデッキブラシが立てかけてあった。
「こ、これだ!長いしちょうどいい!」
これを使って壁にいるゲジを叩き潰そうと狙いを定めた。
ゲジは素早い。
薄暗い中、外壁を逃げ回る2匹のゲジを潰すため、何度も外壁をデッキブラシで叩いた。もぅ凄く必死に。
バシッ!バシッ!
深夜の静かな住宅街にデッキブラシで外壁を叩く音が響き渡る。
デッキブラシで必死に何度も外壁を叩く女。
ご近所さんに見られたら、本当に怪しい奴が引っ越してきたと思われる!早く!仕留めなければ!
焦りながら何とか10回ほど叩いてゲジを無事に仕留めた。
そして、夕方になると小さい蚊のような虫が大発生しているのもトホホ案件だ。
朝になると、窓の桟に何十匹と死骸がある。
どうやら、ほど近い場所にある田んぼが奴らの住処らしい。
さらに、ご近所さんの話によると、
鳥が虫の死骸を木の枝に引っ掛けてくれたり、その近くの田んぼから蛙が来たり、ナメクジ、ダンゴムシ…とにかく色々な生き物が大量にお庭に来るらしい…
さらには軒下に、謎の白い小さなダンゴムシくらいの生命体の死骸が大量にあった。書きたくもないのだが、ウジみたいな…
コレ、一体何なの?
家は建ったが、外構はこれから。
虫の出ない外構にしたい。
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「内覧会」我が家のオススメ
無事に引っ越しが済み、暮らしているが、今のところすごく快適である。
「内覧会」というほどでもないのだが、特に「やって良かった!」と思うところを挙げてみたい。
≪広い玄関土間≫
玄関を4畳ほどの土間にした。
それまで住んでいたアパートは、玄関が狭く、家族4人が一緒に家に帰ってきた時は荷物も多く玄関が通れなくなるほどふさいでしまうこともあった。
広い土間に憧れがあったのだ。
4畳ほどの土間は、自転車や傘などを置いてもまだスペースに余裕があり、広々快適。
ホスクリーン(物干し)も付けたので雨の日に濡れたレインコートをひっかけたり、ちょっとしたDIY作業を行ったり、ご近所の子供たちが土間で遊んだり、溜まったゴミ袋をゴミの日まで置いておけたり、Amazonで届いた大きめ段ボール荷物の一時置きにも便利。
何よりも、玄関から家に入った時、広く見えて開放感を感じられるのもイイ。
≪ファミリークローゼット≫
1階のリビング隣にファミリークローゼットを設けた。
ファミリークローゼットといっても、ただの部屋。
子供が成長して生活スタイルが変わっても柔軟に対応できるように、ただの部屋にスチールラックを置いただけだ。
有名なOURHOMEのEMIさんを参考にさせていただいた。
超便利。
洗濯物を取り込んで仕舞う際に、ここでコックピットのように全て仕分けして仕舞える。家族4人分の衣類を極力畳まなくて済むというのも時短だ。
小さい子供達も朝、自分で自分の衣服を探して着てる。ありがたい!
とにかく、衣類やタオルなど我が家の布系のものはすべてココに集約されているので、
「あの服どこにしまったっけ?」
「プールに行くんだけど水着はどこだっけ?」
など、探す手間がない。
≪扉が無い≫
我が家にはリビングと洗面所を仕切る扉が無い。
2階も将来的に仕切れるようにしてあるが、まだ扉はついていない。
家の扉はトイレと納戸くらい。
今のところ、特に扉がなくても何も不自由がない。
それどころか、それぞれの場所に行きやすくて導線がスムーズ。
ファミリークローゼットとリビングを仕切るのも扉ではなく、川島繊維セルコンの「パタパタカーテン」にした。これは、プリーツ加工になっているカーテンで、畳まれた時の収まりがものすごくコンパクトで邪魔にならない。
今はお客様が来た時だけ「パタパタカーテン」で目隠しをしているが、普段家族だけの時は畳んだまま。スッキリしているのでカーテンの存在は全く気にならない。
≪2階の室内物干しコーナー≫
我が家は共働き。
それまで住んでいたアパートでは、ベランダに洗濯物を干すことが無かった。
干しても、取り込めるのが夜になってしまうし、その間に雨が降ったり強風が発生したりしても対応ができない。鳥の糞や虫や土ぼこり、最近ではPM2.5とか、色々付いてしまいそう。
…そこで、南側の太陽がよくあたる場所に室内干しコーナーを作った。
深夜でも雨でも人目を気にせず毎日そこに干している。
≪断熱≫
コレ、一番重要視をしていた。
せっかく住むなら快適な家。
できればエアコン1台で夏も冬も快適な家を目指した。
間取りをできるだけオープンにして、今のところは1階と2階にそれぞれ1台ずつエアコンをつけている。
断熱材は当初、セルロースファイバーにしたかったのだが、予算の都合でウレタンフォームになった。
結果、真夏も真冬も夕方~寝る前までどちらか1台のエアコンを付けることがあるが(我が家は共働きなので昼間は付けてない)、寝る前には切っている。それで朝まで快適グッスリ。
真冬の朝も起きてすぐ温度計を見たら15度だった。
15度を下回ることは今のところ無い。
≪家事を機械に頼る≫
共働きなので、家事は極力時短したい。
間取りを考えている時から掃除機は「ルンバ」にしようと決めていた。
家中の段差を無くした。
そして、1階と2階それぞれに1台ずつ「ルンバ」を導入。
超便利。
仕事に行く前にポチっとボタンを押すだけで、帰ってきたら綺麗な床が待っているなんて!アパートの時は、週末のたびに時間をかけて汗水たらしながら各部屋を掃除機抱えて回っていたっけ…。
アパートの時に使っていた掃除機は、今や「ルンバ」内のゴミを溜める容器を綺麗にする時のみに使っている…。
「ルンバ」が通るから、と、極力床に物を置かないようになるし。
部屋も自然と綺麗に保たれる。
夫はこの「ルンバ」とエアコンの稼働を、携帯電話から操作できるように設定した。
外出先からも動かせるのは便利だ。
そして何よりも食洗器。
職場で3人の子を持つ先輩が昔、「今、家にある家電で一番壊れたら困るのは食洗器。もしも壊れたらソッコーで直す」と言っていたのが頷ける。
聞いた当時は「えー?一番困るのは洗濯機じゃないでしょうか?」と思っていたのだが、今は明らかに食洗器!
食洗器の便利さを知ってしまったらもう後には戻れない。
手で皿を洗う時間が1回約10分だとしても、1日2回で20分。
月にすると600分(10時間)の時短になるのだから!
≪リビングにあるもの≫
我が家はそんなに広くない。
リビングに置くソファーは、ダイニングと一体型にした。
ソファーなんだけど、ダイニングとしても使えるやつだ。
ご飯を食べる時もくつろぐときも同じ場所。
場所を取らないし、リビングがスッキリに見える。
それから、リビング入ってすぐの場所に腰の高さくらいの棚を設けた。
保育園の手提げ、夫と私の通勤カバン、読みかけの本、外出用のバッグその他もろもろ、「とりあえずどこかに置いておかないといけないもの」が意外と多いのだ。
この棚にそれらをしまうだけでスッキリする。
……アパートから戸建てになって一番変わったのは子供の遊び方かもしれない。
それまでは集合住宅で、玄関の目の前は駐車場。
車の往来が危ないので、あまり外で遊ぶことも無かった。
ご近所付き合いも無かった(近所は1人暮らしの人ばかりで、子供がいなかった)。
それが戸建てになって、子供達はどんどん自分から外に出て庭に出て、ご近所の子供達とも遊ぶようになった。
子供の楽しそうな姿を見られるのが一番だ。
……家の良い点ばかり書いたが、次からは外構&庭について。
これは良い点ばかりではなく、いくつかのトラブルがあったのだ…。
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ドタバタのお引っ越し
いよいよ迎えた引っ越し日。
ハウスメーカーで家を建てた人のブログを読むと、引き渡し日には「引き渡し式」なるものが行われ、テープカットがあったり、上等な木箱に入っている鍵をもらったりするようだが、そのようなものは我が家には無い。
そういえば施主検査のようなものも特に無かったような…。
毎日夜な夜な、現場へ行って懐中電灯で照らしながらあれこれとチェックをし、週末になると設計士Gさんや棟梁のHさんから現場で様々な説明を受けていたので、あらためて実施する必要もなかったのだろう。
引っ越しは平日に行った。そのほうが費用が安く、引っ越し業者の予約も取りやすかったのだ。
朝、子供を保育園や小学校に送り出した後、夫と2人でひたすら段ボールに荷物を詰めまくる。
その合間に住民票や運転免許証などの住所変更手続きに行った。
引っ越し日は年度初めということもあり、すごく混んでいて午前中いっぱいまで時間がかかった。
コンビニでお昼を買い込み、家へ戻ると、夫が焦っていた。
あと30分ほどで引っ越し業者が来るのに、まだ段ボールに詰めていないもの多すぎた。
もう悠長に詰めるものの選別などしていられない。
とにかく目の前の物をひたすら段ボールに突っ込むだけ。
なんとか全ての荷物を詰め込んだと同時に、インターホンが鳴った。
ここからは引っ越し業者に全てを託し、私達はたまに指示を出したりはするが、テキパキ進む積み込み作業をただ眺めているだけ。
全ての荷物が積み込まれ、引っ越し業者を見送った後、ようやく一息ついてコンビニのざるそばを掻き込むのだった。
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入居前にやっておきたいことがある
新居への引っ越しを前に、どうしてもやりたいことがあった。
私は大の虫嫌い。
嫌いすぎて、G(あの黒くて素早い嫌な生き物)が避けると言われているステンレス製のキッチンを選んだくらいだ。
もしも新築の家なのにGが出たら…一から建て直して!と思ってしまうかもしれない。家に入れなくなるかもしれない…。
豆粒以下の小さい虫にさえもキャーキャー言って騒ぎ立てるため、夫からはあきれ果てられている。
新居には豆粒以下だろうが何だろうが絶対に虫を入れたくない。
なので、入居前に「バルサン」を焚くことにした。
「新しい建物だからヤル必要ないでしょ!」と、夫はあきれ顔だ。
しかし、ありとあらゆる可能性を排除したいのだ。
引っ越し日の早朝5時。
まだ日の出前の薄暗い中、1人、ムクリと起きて静かにアパートを出た。
夫や子供はもちろん、まだ寝ている。
新居のある住宅街はシーンと静まりかえっていた。
鍵を開けてこっそりと新居に入る。
自分の家なのだが、こんな明け方に、ヤル必要がないと言われていることをしに来ていて、なんだかドロボー気分だ。
まず、玄関入り口や各部屋の隅、洗面台やキッチン、トイレといった水回り周辺に、Gの駆除薬「ブラックキャップ」を設置。
それから、「アリの巣コロリ」の白い粉末薬剤を建物周辺を取り囲むようにグルッと撒く。
そして、忘れてはいけないのがエアコンのドレンホース対応だ。
室外機の所にあるエアコンのドレンホースから虫が入ってくることがあるらしいんですよ。確かに、ホースは地面近くに接しているので、容易に虫が入ることが考えられる。
なので、ホースに防虫キャップを取り付けた。
早朝からモゾモゾとこんなことしていて、ご近所さんに見られたら、早速怪しい奴らが引っ越してきた、と思われるかしら…
玄関扉の取っ手に、虫コナーズを吊り下げ、家中の網戸にも虫コナーズを貼り、窓外の物干し竿にも虫コナーズを吊り下げた。
(どんだけ虫コナーズに頼ってるんだ!という感じではある…)
さらに、網戸に虫よけスプレーを撒き…
そして最後に本命の「バルサン」の準備。
家中の火災報知器にビニールをかぶせる。
これは、「バルサン」のスモークに火災報知器が反応しないように、念のための対応策である。
家の中に家財があると、それらにも何らかのスモーク除けが必要のようだが、幸い今は家の中はがらんどうだ。
室内の各所に「バルサン」をセッティングして、缶を開けてスモークが出始めたことを確認し、家を後にした。
これだけやったらさすがに虫は入らない…かしら?
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引っ越しまで2週間…ゴミって捨てるの大変ですよね
無事にエアコンの取り付けが終わり、引っ越しがいよいよ2週間後に迫った。
平日は仕事があるため、実質引っ越し準備ができるのは週末だけ。
そうなると引っ越しまでの週末はあと2回だ。
しかし、この2回の週末も互いの老齢の両親の様子を見に行ったり、子供のPTAなどの学校行事、子供の習い事の送迎、溜まっている家事等々、何かと忙しい。
そんな諸々用事の合間に、粗大ゴミを処分することにした。
まずはYAMAHA製の電子ピアノ。
社会人になって初めてのボーナスで購入した想い出の品だ。
当時(ウン十年前?)10万円以上はしたような気がする。
ただ、使っていたのは購入した当時だけでその後はあまり使っていなかった。
これまで引っ越すたびに、高い運搬費がかかっていたのだが、それにもめげずにずっと連れてきていた。
粗大ゴミで捨てるよりも、もしかしたら売れるかも?と思い、リサイクルショップに電話をした。
「電子ピアノなんですが、引き取りに来ていただくことはできますか?」
「何年前のものですか?」
「エエッと、ウン十年前です・・・」
「ウーン、そんなに古いものだと、値段はつかないだろうし、引き取りも難しいですねぇ」
「エエッ!そこを何とかっ!」
「ウーン、じゃあちょうど今、お宅の近くを回っているから寄るだけ寄らせていただきますよ」
「ハイッ!お願いします!」
ハァー、やっぱりダメなのかなぁー…。
電子ピアノの汚れやほこりを拭き払いながら、タダでも何とか持って行ってもらいたいと祈る。
10分後、リサイクルショップの担当者が家にやってきた。
電子ピアノを一瞥して担当者は言う。
「フーム、意外と綺麗に使っていたんですね。じゃあ、買い取り額は1000円かな」
「ワッ!(売れた!)良かった、お願いします!」
たった5秒の一目で査定完了。
怠け癖で大して使っていなかったのが幸いした。
綺麗な状態の初任給想い出の電子ピアノは1000円になった。
それから、物干しと照明器具等を粗大ゴミ処理センターに持ち込むことにした。
物干しと照明は、夫と私の互いの実家からもらってきてそのまま使っていたもので、かなり年季が入った代物だ。
物干しは2本。洗濯物は基本的に部屋干しだったので、ここ数年すっかり使用しなくなっていて、ベランダに野ざらしになっていた。かなり錆びて朽ち果てている。
照明器具は3つ。LEDではないし、数か所がねじ止めされていて取り外すのに一苦労、すごく重くて車へ運ぶのも大変だった。
はずして代わりに新築用にと購入した照明をアパートの部屋に取り付けた。
LEDにしたのだが、ものすごく軽くてスマート。
それでいてこれまでより明るい。付け外しもワンタッチですごく簡単!
これまでの照明より安価。時代の流れを感じる。
それから、段ボール。
施主支給としてネット通販でカーテンレールを購入したのだが、この長いレールが入っていた筒状の長い段ボールがとてつもなく硬くて分解できなかったのだ。
長すぎるので粗大ゴミ扱いになってしまった。
ついでに壊れたカラーボックスも、一緒に捨てることにした。
さらに、電気ポット。
これは両親が我が家に持ち込んだゴミだ。
両親は我が家にやってくるたびに、ゴミを持ち込む。
両親が住んでいる自治体ではポット一つを捨てるのに500円かかるという。
処分しようにも500円かかるのではもったいなくて捨てられないというのだ。
自分で搬入して捨てることができる自治体のゴミ処分場は、車で30分ほどの距離にある。
週末だと土曜日の数時間しか開いていない。
諸々の用事を済ませてから処分場に向かい、着いたのは受付締め切りの5分前。
ギリギリで捨てることができた。
往復で1時間。粗大ゴミを捨てるのも一苦労だ。
それなのに、また頭の痛いゴミが新たに迫ってきている。
「あんたたちが家を建てる時の内装にコレ、ぜひ使ってちょうだい!ハウスメーカーの人がね、『将来、リフォームや修繕が必要になった時に使えますから差し上げます』って言って、くれたのよ~」
そう言って母が家の押入れから抱えて持ってきたのは、様々な壁紙用ビニールクロス。
10年前、大手ハウスメーカーが両親の家を建てた際に残していった置き土産だ。
両親の家は和室やリビング、寝室など、各部屋ごとに様々なクロスを使用した。
それらの中途半端な残りが巨大なロールとなって押入れの一角を陣取っていた。
でかくて重たいので動かすこともできず、約10年間、押入れの中で湿気やカビ、埃とともに鎮座していたものだ。
ダメだろうと思いつつも設計士のGさんに聞いてみた。
Gさんは即答した。
「10年間、押入れの中に入っていたクロスですか…(苦笑)。皺や汚れ、カビもあるでしょうから…ちょっとね…せっかくの新築ですし、新品のクロスを使ったほうが良いですよ。それぞれのロールの長さも中途半端ですし。。。」
ソリャソウダヨネ!なんか、聞いちゃった自分が恥ずかしい!
そもそも、両親の家のクロスの柄は私達の趣味とは違うし。
大手ハウスメーカーは、処分費用を浮かせるため、老齢の両親に、中途半端に余った膨大なロールクロスを押し付けた、、、気がしてならない・・・。
アァ、これを捨てるのも大変ダ!
社会人になったばかりのウン十年前、ゴミ袋は真っ黒で、中に何が入っているか見えなかった。
それが時を経て、透明な袋になり、細かく分別されることになり、ゴミ袋の料金も値上がりした。
ゴミ袋に名前や住所まで書かなくてはいけない自治体もあるという。
新居ではモノを増やさないぞ!と心に誓った。
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引っ越し(予定)まであと1か月…エアコンのスペースが足りない!
窓の納品が遅れたため、当初から1か月遅れで進んだ建設工事。
その後は着々と進み、完成予定日まであと1か月となった。
外構はまだ出来ないが、アパートの契約更新の時期が迫っていることもあり、建物の完成に合わせて先に引っ越しをしようと、引っ越し日を決めて準備を進めた。
いつものように週末、現場を訪問。
内装もだいぶ進み、ワクワクとした思いしかない。
この日は棟梁のHさん、そして設計士Gさんがいた。
何やら深刻そうにエアコンの設置位置を眺めて話し込んでいた。
私達に気づいたGさんが、申し訳なさそうに言った。
「すみません、エアコンの設置スペースがあと6cm足りません・・・週明けにやり直しの工事をします」
「エエッ!?どういうことですか?」
「昨日、エアコン取り付けの下見に来た設置業者が現場を確認して判明しました。エアコンの大きさのスペースはとっていたのですが、設置にはそれだけでは足らず、あと6cm余裕を持たせなくてはいけなかったのです」
エアコンの配管を通すための穴は壁に既に開けてしまっており、エアコン用のコンセントも配線済みだ。
既に開けてしまった穴を埋め、別の場所に穴を開け直す必要がある。エアコンは外壁に接しない室内に設置するため、部屋と部屋を仕切る壁にもエアコン用の穴を開けていたので、そこもやり直し。
それよりも大変なのは、既に外壁のモルタルが2度塗りを完了していることだ。
外壁のエアコン用配管の穴を埋めるため、外壁のモルタル(2度塗り)をその部分だけやり直さなくてはいけない。
うまく週明けに外壁を塗ってくれるモルタルの施工業者の手配がつけばいいのだが、仮にそれが遅れると、その後に控えている外壁の吹き付け仕上げ、足場の解体、室外機器の設置、等々・・・のスケジュールが全て後ろ倒しになってしまう。
そうなると、待っているのは引っ越し日の延期だ。
しかし、既に引っ越し業者も手配済み、賃貸アパートの不動産屋にも退去日を告知済み、アパートの火災保険も引っ越し日をもって解約する旨を連絡済み。さらに、NTTや電気、水道、郵便等々、様々な連絡を引っ越し日を基準に切り替える旨を連絡済み。そして、子供の学校にも連絡済み、さらには職場にも引っ越し日前後に休みを取りたいと調整済みだ。
何よりも、アパートの更新期限が迫っている。
祈るような気持ちである。
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